魔神少女エピソード3について
魔神少女ep3が出てはや1ヶ月が過ぎてしまった…
いつもなら最速で攻略記事を書くはずなのだが、コミケやらイラコンやら他のゲームやらでタイミングを逃してしまったので今回は無し!
代わりに、レビューではないけど思ったことを書くよ!
これまでTA的な遊び方をしてきたやつから見て、ということだよ!
魔神少女シリーズも始まって4年目。知名度も上がり攻略サイトも増え、もう俺なんかが攻略記事書いたりする必要も無いかなってところもあるのだが、今回は『ep3がしっくりこなかった』というところが大きい気がする。つまり過去作の方が好きなわけで、これから書くものはどれも批判になってしまうわけだが、一言でいうとこういうことである。
魔神少女だけどー魔神少女じゃなかったー
ストーリー的には魔神少女の正伝である。
見た目もこれまでと同じドット絵である。
しかし開発がいつもの本家の同人サークルINSIDE SYSTEMからゲーム開発会社M2に代わり、ゲームとしてはかなり別物となっている。
その結果、魔神少女の特徴として挙げられる部分の多くが削られてしまったのだ。
これはシリーズをやってきた者にほど「それはどーなんよ」となってしまい、評価に影響があったのではなかろうか。
一番の違いはやはり『特殊武器の廃止』だろう。魔神少女的にはラーニングと言うべきものだ。
これは、マジックアイテムを最初から全て使える、基礎強化でかなり強くなる、インストールが死亡時にリセットされない、などの変更によるゲームバランスに合わせて廃止されたらしい。自機のリベンジマジックが無くなったのも同じことだろう。
バランスを考えたら正しいのかもしれないが、魔神少女らしさや単純な面白さを考えたらマイナスだったと俺は思う。
特殊武器は結局ボス戦でしか使わない。とは言え、やはり攻撃手段が増えるのは嬉しいものだ。ep2では道中でも使うと楽になる場面はあった。ep3では同じような攻撃手段がマジックアイテムになっていて使えるには使えるのだが、回数制限もありボス戦では他のアイテムを使ったほうがいいのでわざわざ選ぶほどではなかった。
特殊武器が無いのだから通常攻撃のみで戦うわけで、ボス戦の単調感が増している。ショットよりロードアタックの方が攻撃力が高いのでひたすらLAを当てるのだが、8ボス四天王ボスラッシュラスボス全てにLAを当て続けるわけで、絵面的にも地味だ。(そしてそのLAも厄介な部分があって…)
それに魔神少女の弱点関係は、単純な属性ではなくキャラ同士の関係性に依るものである。つまり特殊武器はキャラを立てる部分でもあるのだ。そこに関してはデイ編エンディングの画像が弱点関係を表しているということでフォローされてはいる。
あとラーニングということでは、ジズーの服は誰かしらのものをラーニングしていたりしたのだが、今回は特に同じような服のキャラは居ないようだ。
同じくシステム面の違いとしては、『インストールの変更』がある。
今までのインストは複雑だった、ということでep3では3個にしたらしい。
たしかにこれまでのインストールは、スピード系、補助系、ショット系x2、パワー系、隠しインスト、とep3の倍あった。しかもep2ではそれぞれの内容も複数から選択可能で実質4倍以上、さらに自機によってインスト内容は違うのでさらに倍、steam版では自機キャラも増えた。
こう言うと複雑に見えるかもしれないが、中には使うメリットがほとんど無いものもあったりして、ある程度は固定されてしまう。というか初期設定のままで十分にクリア出来るようになっているのだから、普通にやる分には気にするほどのことではない。
組み合わせを変えると有利になったり新しいルートが見つかったりと、遊びの幅が広がっていたのだ。
それが固定の3個だけになってしまったのは、シンプルを通り越してはいまいか。インスト回数も各2回までで上限を増やすこともできない。
それでいてインストの効果は薄いのだ。
スピードの上がり幅小さくない? 基礎強化できちゃうからというのもあるのだろうが、そうすると今度はインストする意味があまり無くなってくる。
ウィングも同様に基礎強化できるのでインスト要らない。というかウィングは仕様が変わっていて、落下中の減速にはほとんど使えなくなってしまった。このウィングではep1のアルステージのシェガーは取れないだろう。
逆にWIDTHは必須である。基礎強化をしても敵が固すぎて、とにかく連打が必要なのだ。しかしWIDTHで弾数を増やしたって連打はしなきゃいけない。見た目にも3wayまでだし、上限の低さもあってやはり効果は薄い。
過去作と比べ、相対的に自機が弱くなっているのである。
道中は駆け抜けるものではなくなってしまった。
個人的に魔神少女は『駆け抜ける爽快さ』が売りでもあったように思う。いや、そういう売り方をしていたわけではないのだが。やってみるとそこが楽しいのだ。
道中は簡単でボスが強い。そういうバランスだった。
その道中もただ簡単というわけではなく、誰もが最初から高速で抜けられるわけではない。それでいてやり込めばそれだけ速く走れるようになる。やっただけの上達が判るくらいにはタイムに反映されていた。そこがTAなんてことをやる理由でもあったのだ。
端的に言えば、ep3は過去作と比べるとテンポが悪いのだ。
これまでの道中が簡単シンプルだった、ということでステージを長くしたり上下移動を多くしたり中ボスを設置したりとテコ入れをしたのだろう。ステージ構成はep2の時点でもそうされていたことではあるが、さらに長く、上下に。
しかしザコまで固くしたのではやりすぎ感がある。
魔神が全然強くない。
中ボスもあまり良くなかったように思う。
倒せばセーブポイントがあるし、中間地点という意味では判り易い目標にはなるが、そこで一旦完全に足止めされてしまう。これまでに無かった目新しいことではあるのだが。
見た目が全て同じなのはどうだろうか。ロックマンの大型ザコの位置になるのだろうが、あれはステージ毎に違うのが楽しかったのだと思う。ロックマンを語れるほどやってないけど。キノッピがどこにでも居るのとは違うのだ。同じ元魔法獅子団のメンバーだからという理由だとしてもあまり納得できたものではない。そこだけ個性を無視することになってしまう。
中ボス開始からしばらくはダメージが通らないのもどうだろう。それなら体力を上げればいいのではないか。ただ攻撃出来ないだけというのはなんだかなぁ。シールドってわけでもないし。
ただし『駆け抜ける』というところを考えなければ、ステージ自体は良くなったようにも思う。
ステージの広さが段違いで直線的でないのは、ゲーム面だけでなく、世界観を表すのにも効果があったのではないか。
折角広いステージならもっと探索要素があってもよかったかなとも思うが。
その探索要素である純色のシェガーだが、基礎強化の上限を上げる『プレイヤーレベル』というもののために必要なもの、という扱いとなった。
これは、必要な強化のために必要な数だけ集めればいい、というわけではなく、集めた数によって全体の上限が解放されていく。ep2のように取りやすいものだけ取るというのでは思ったように強化はできない。
個人的にはep1の特定のシェガーで特定の能力が上がるという方が、純色のシェガーは特別なものという感じがして好き。
それより問題は強化に必要なトレースの量だ。
これまでも強化を完成させるにはかなりのトレースが必要ではあった。だがそれは必ずしも強化しなければならないものではなかったのだ。上げれば上げただけ楽になるが、それを前提とはされていなかったのである。
しかしep3は、ある程度の強化を前提とした作りになっているように思えてならない。
ep3は敵が硬い。難易度を上げると硬さも増す。
強化しないとやってられんのですよ。
さらにボスには無敵時間が存在する。これはいつも通りなのだが、その分一発の威力が必要になるのも同じで、インストで強化できない分は基礎強化で上げていくしかない。
それに必要なトレースがかなり膨大なのだ。
マジックアイテムで取得トレースを増やすことはできるのだが、そもそもトレースの発生に軽い罠がある。
これまでは敵を撃破した時に決まった量のトレースが放出されていた(しかも難易度は簡単な方が取得トレースに倍率がかかって多く稼げる)が、ep3ではショットを打ち込んだだけ発生するようになっている。
つまり敵1体から出るトレース量は、硬くなった高難度の方が多いのだ。
低難度で強化してから挑戦しよう、なんて考えてると無駄に時間ばかりかかってしまうことになる。
強化するなら最初から高難度に突っ込んで撃つだけ撃って死んできた方が早い。
ルナに挑戦するならばライフとストックとショットLAはある程度上げないとだるいし、最初からWIDTHを強化するためにスピードは後回しになるので初期速度もほしい。速度の上がり幅が小さいので過去作ほど速度の有無で難易度が変わることはないが、それでも速いに越したことはない。上げすぎて操作しにくくなるほどでもないし。
とにかくルナを初期状態でやるのはつらく、そこそこ快適にやれるまで強化するにはそれなりの時間がかかってしまう。
そして普通に低難度から進めて行ったのでは、トレース効率の問題もあってルナ突入時には適した強化進度にまで足りていないのだ。縛りプレイをするわけでもないのなら稼ぎが必要になってくるだろう。
ここで『シェガーショップの廃止』も効いてくる。
基礎強化と統合された感じではあるのだが、これまでのような周回要素と言ってしまうには無理がある。地味だし。特に消費キャパシティ0や速度+10などのぶっとんだものは完全に消えてしまったわけで、やはり遊びの幅は狭くなっている。
シェガーショップは救済要素でもあったはずだ。それが基礎強化にまとめられ、かつその強化も普通にプレイするためにもある程度必要となると、もはや救済措置は無くなってしまったも同然である。禁断のアイテムも無いし。(あれは使うとクリア扱いにならないので救済というほど救済してはいなかったかもしれないが。ストーリーを見るだけのためという感じで。)
シェガーショップの廃止に伴い、これまではミニゲームでも稼げていたシェガーの欠片も無くなってしまった。
無くなったというか、仕様が変わってインストのためのアイテムになってしまった。見た目にはよりグラディウスに近付いた形になるのだが、インスト項目が減ったのは遠ざかっていることになるのではないか。インスト構成は過去作の方がグラディウスしていたはずだ。
設定的におかしなことになってしまったが、ゲームに合わせたとしてそこは置いておこう。
問題は、ミニゲームで稼げるものがトレースになったことである。
このトレース、強化には使えないのだ。
高難度に挑戦するためにミニゲームで稼いで強化する、というプレイスタイルは通じなくなってしまった。
では何のためか。累計トレースによって解放されていく「アーカイブ」というものが出来たのだ。一定数のトレースを稼ぐと設定画などの画像が見られるようになる。ミニゲームではそこのトレースを稼げるのだ。
でもこれ、プレイングレベルだよね。前からあったのが開け方変わっただけだよね。
ep3にもプレイングレベルはある。あるのだが、そちらを解放しても画像が見られるようにはならない。プレイングレベルにあったものがアーカイブに移動しただけのことである。画像の数は増えたとはいえ、解放のやり甲斐は失われてしまってはいないだろうか。
累計トレースは通常のゲームプレイでも増えていくので、ミニゲームで稼ぐ意味は無いのだ。高難度でY連打してた方が稼げるし強化にも使える。
アーカイブ解放にはトレース以外の条件も必要なのだが、途中までは条件が表示されるものの、全解放する前に何故かコンプリートと言われてしまって条件が判らなくなるのももやっとする。全然コンプリートしてないのに。
プレイングレベルを埋めるためにも周回プレイは必要なのだが、シェガーショップが無くなったせいか作業感はかなり増した気がする。新しいアディションを使ったプレイという新鮮味が無いのだ。デンジャラスモードも無いし。
ミニゲームではシェガチャも無くなってしまった。これはゲーム性とは関係無いが残念。
ゲーム性に関わる部分では、『ロードアタックの挙動』も変わった。
初出のep2では、動作中無敵で敵を貫通する多段ヒットの突進技、の特殊武器としてボスから入手した。ep3では最初から使えるダッシュとして調整された。(ep2でもダッシュとしても使われていた)
ep3では性能は全く違ったものになった。単発技で、敵に当たると反動で跳ね返るようになったのだ。動作中の無敵は無くなり、反動中にだけ少しのあいだ無敵時間がある、という仕様になった。
移動技として調整されたのだから無敵時間が無くなるのは判るのだが、攻撃力が上がってむしろ火力として使われることの方が多い。それでいてヒット時の反動中は操作を受け付けないので、当てると損することも多いのだ。
迂闊に使うと足場から外れて落下したり他の敵に当たったり弾を避けられなくなったりと、LAを使ったことによるダメージが普通の被弾より多かったりする。
さらにボス戦では、通常ショットよりLAの方が攻撃力が高いのでそちらを当てていきたいのだが、ボスの無敵時間中はLAが当たらずすり抜けてしまう。
これが実に問題で、無敵時間が切れるタイミングで最速で当てようとすると、少しズレたらボスをすり抜け中にボスの判定が復活し、動作中無敵ではないので接触ダメージを受けることになる。
ちゃんと当てろってだけの話なのだが、ボス無敵時間中でもすり抜けは無くてよかったのではないか。ダメージ無しにヒット反動はありでよかったのではないか。
そして反動中操作不能を狙ってなのか、まっとうな攻撃より『ただの移動による接触』がダメージソースになっているボスが居る。突進技でもなく、ただの移動なのだ。
これが実にストレス。それも含めて難易度設定なのだろうが、それは面白くない調整としか思えない。攻撃するより移動だけしてた方が強いんだもの。戦ってくれ。
あ、ボスに接触ダメージ判定があるのもこれまでと違う点。まぁそれはその方が一般的だしそれ自体にはそこまで文句は無いです。そが多い。
あとブロッキングも無くなってしまった。魔神少女の特徴としては結構大きい部分だったのではなかろうか。
ep3では敵弾が増えたのだから、あったほうが楽しかったと思うんだよなぁ。
これらの変更により、操作感はともかくゲームデザインとしての魔神少女らしさはかなり削がれてしまったのではなかろうか。
開発の変更で、シンプルに、シビアに、なったと思う。
それが悪いというわけではないのだが、魔神少女としてそれはどうなのという部分が多いのだ。少なくとも俺にとっては。
ep3から入った人にとってはシンプルになった分、判り易いのかもしれない。
難易度に関しては、強化でゴリ押しできるからep1より簡単という意見もある。
落下即死が無くなったり最初からライフ回復できたりと楽になっている部分もある。
ただ個人的には、敵の硬さやら数やらモーションやら弾幕やら、被弾は増えたしステージは長いし一部ボスの攻撃は避けにくいしで難易度は上がったと思っている。
このような過去作と違う点とは別に、ep3だけで見てどうなんだろうというところが1つある。
デイが復讐するに至った動機である。
OPで過去の魔法獅子団に何があったかを説明する予定だったが、尺が長くなりすぎるのでバッサリカットしたらしい。しかしそこはやはり必要だったと思う。
デイが何をしてどういうことになりどう扱われているのかがわからないから、ずっと話が噛み合わないところを見続けることになるのだ。
魔物族討伐中にデイが裏切って作戦は失敗、国民の怒りを買いお尋ね者となった。しかし魔法獅子団のメンバーは、デイが裏切ったとは誰も思っていない。それでいてデイの方はメンバーに復讐するという。デイ本人はむしろ裏切られたと思っているのだ。そこにシメオネの奸計が弄されているのだが、クラウディアの幻影で騙したとしか説明されない。
ストーリーがわからんのです。
基本的にジズー編が正史なので、2キャラ目のストーリーは必要無いといえばそうなのだが、ジズー編にしてもデイを止めることも含まれているのだから、やはりデイに何があったのかがわからないとどうにも納得がいかない。もやっとする。
ともすればゲーム本編のストーリーより過去何があったかの方が重要なのではなかろうか。
魔神少女は時間の概念がよくわからない割に歴史は色々ありそうで気になるところ。
明かされていない世界観も多いし、新作をガンガン出してドンドン詳らかにして頂きたいものである。
あ、あとep3はミバスが無いからSS撮れないのも不満だよ! スイッチなりsteamなり移植されるまで撮れないからね! 改造は知らん。
あとOPが圧倒的すぎてちょっと笑う